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Episode 1: 貪欲な富豪 02

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商業によって栄えた街、ウィーティストン。

 

その中央に聳える豪邸に住まう富豪、カルロス。

 

彼はこの街の商会を仕切る会長であり、

商人たちからの信頼も厚い人物である。

 

豪快かつ陽気な笑顔で商人たちを取りまとめる表の顔がある反面、

欲しいものは人間…例えそれが知った顔であっても、

金にものを言わせて買い上げ、己の快楽に耽る裏の顔があった。

 

彼にとって金銭で取引される存在は全て『物』であり

買われた者たちに表の笑顔が向けられる事はなく、ただ貪欲に穴という穴を貪られ

飽きればゴミのように捨てられるだけであった。

 

「今日もお疲れ様です、カルロスの旦那」

 

仕事を終わらせると、いつも部下であるヨセフに声を掛けられる。

 

「今日もとびきりの女を入荷しましたぜ

 売り捌く前に、旦那も楽しんでいきますかい?」

 

彼には路地裏の奴隷市場を仕切らせている為、よくこういった誘いがある。

勿論女好きのカルロスは断らない。

 

「今日は首尾よく仕事が片付いたから気分がいい、

 どれ、気に入った娘がいたら買い取ってやろう!」

 

「流石は旦那、気前がいい」

 

何てことはない、強者が弱者を物として扱う会話。

この時代ではそれは悪ではなく、特に富裕層では当然のように行われる出来事であった。

 


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